記憶の中の写真 51

西の湘南、須磨海岸 (2021/08/05)

 

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関西に住んでいた僕にとって須磨海岸は憧れの場所だった。

 

神戸の西にあり、大阪府内に住んでいた僕にはお洒落で、少し高級な感じがしていた。

 

その割に、気後れしていたのか、少し遠くて足を延ばすのが億劫だったのか、これまであまり数多く訪れてはいなかった。

 

この日は神戸市内に用事があり、時間が空いたので須磨まで足を延ばした。快速でJR三ノ宮から13分、降りるともう白い砂浜が目の前に広がっていた。

 

JR須磨駅須磨海岸の砂浜に隣接した立地で、この駅から砂浜までの距離は全くなく、駅を降りたら白い砂浜が広がっている。

 

僕は日ごろから首都圏と関西圏は不思議と相似形をしていると感じている。

 

東京と大阪、横浜と神戸、川崎と尼崎、房総と和歌山。鎌倉と京都の対比は少し位置関係、方角的に無理があるだろうか。

 

そして湘南と須磨という関係になる。

 

しかし、湘南と須磨は全く似ていないところがある。

 

須磨にはサーフィン文化がないのだ。関西の地理に詳しい人はお分かりだと思うが、須磨海岸一帯は瀬戸内海に面しており、波が期待できない。年がら年中、凪といった風情だ。

 

サーフィン文化があるかないかは、この2つの海岸を全く別の雰囲気にしている。

 

僕が初めて湘南の片瀬江ノ島の海岸を歩いた時には、まるでサーフィン文化中心のともいえる南カリフォルニアのハンティントンビーチやラグナビーチのような雰囲気を感じたのだが、須磨海岸ではそれは全くない。

 

須磨一帯にも湘南同様お洒落なお店や見晴らしの良いカフェやレストランがあるが、サーファーがおらず、サーフィンにまつわるショップやスクールがない。

 

落ち着いた雰囲気で、ただただ海岸で穏やかな海を見ながら時間を過ごす人が多いように見受けられる。

 

その日は、僕もその一人になって時間を過ごすことにした。