大人の銀座 (2018/12/某日)
関西で子供時代、青春時代を過ごした人間にとってみると銀座はずっと長い間、遠い、憧れの大人の世界だった。
それは、「銀座の恋の物語」、「たそがれの銀座」、「二人の銀座」などの歌謡曲が夜をイメージさせたからかも知れないし、それらの歌の男女のデュエットや雰囲気が男と女の大人の世界を感じさせたのかも知れない。
また、映画やドラマでの中で見る銀座や、かつての銀幕の大物スターや歌謡界の大御所の武勇伝が、そんな銀座のイメージを作ることに一役買っていたことも確かだと思う。
東京に移り住み、ちょくちょく銀座に出向くことも増え、カメラを持って夜の銀座を歩くことも多くなって、改めて銀座を見てみると、何かイメージの中の銀座とは一致しない。
銀座が変わったのか、時代が変わったのか、それとも僕の感性が変わったのか。
そもそも初めから僕のイメージしていた銀座なんて無かったのかも知れない。
被写体を探して夜の銀座を歩いていると、ふとした瞬間にイメージしていた銀座に出会うことがある。
また、自宅に戻って、撮った写真を見返しているとそんなイメージに合う一枚を見つけたりする。
写真としては、ステレオタイプの陳腐な一枚にも思えるのだが、自分では結構納得の一枚だったりする。