写真の中の記憶 Ⅲ

ミッションビーチ サンディエゴ  (2017/8/15)

 

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Sony α7m2 FE28-70mm

南カリフォルニアのビーチで一番印象に残っているところといえば、L.A.のサンタモニカビーチとサンディエゴのミッションビーチになる。

 

サンディエゴの市街地を東西に走っているフリーウェイ8号線を西に走り、ウェストミッションベイドライブに乗り換えて、太平洋へ行き当たるところでローラーコースターが現れる。

 

1981年1月、初めてここを訪れた時、当時休業しているこのローラーコースターの見える向かいのハンバーガーショップに(バーガーキングかジャックインザボックスだったと記憶している)先輩の留学生と入って、「ここは昔、乗っていた客が振り落とされて死んでしまって以来、ずっと休業しているんだ」と、都市伝説のような話を聞かされ、あまりに急角度のそのコースにさもありなんと感じたことを強烈に覚えている。

 

ミッションビーチは、そこから北へと広がっている。

サンディエゴ川の河口を挟んで対岸の南側にはオーシャンビーチというこちらも綺麗なビーチが広がっているのだが、その当時、現地のサーファーやビーチバムと言われる人たちのたまり場的な色合いが強いということで、そちらはあまり足を運ばなかった。

 

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Sony α7m2 FE

 

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Sony α7m2 FE28-70mm

 

サンディエゴでの学生時代、幾度となくミッションビーチには足を運んだ。

 

日本で深夜にラジオから流れてくるママス&パパスのカリフォルニアドリーミング、アルバートハモンドのカリフォルニアの青い空、そしてイーグルスのホテルカリフォルニアが当時の僕の南カリフォルニアに対する憧れを強固なものにしていた。

 

白い砂浜、青い空、青い海、通り沿いの高いパームツリー、ビーチで時間を過ごす人々、ミッションビーチには私が日本でイメージしていた南カリフォルニアがそのままあった。

 

海岸にそって寒流が流れ、水温は低くとても海水に浸っていたいとは思わないのだが、海面上を伝って涼しい風が内陸部に流れ込んでくるので、浜辺に横たわっていると心地よい風に吹かれながら快適に過ごせる。

 

年に2~3日しか雨の降らない地中海性気候にあるサンディエゴでは、昼間は西に広がるビーチで涼み、夜は東に向けて車を出し、砂漠の中で寝袋に入って星空を見ながら夜を明かすのが夏のアクティビティーになっていた。

 

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Sony α7m2 FE28-70mm

 

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Sony α7m2 FE28-70mm

 

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Sony α7m2 FE28-70mm

 

私は当時持っていたミノルタXD、ミノルタXG-1にMD50mmf1.4とMD24-35mmf3.5を付けトライXの白黒フィルムを詰めて、友人たちと一緒によく写真を撮りに来ていた。

ビーチ沿いを歩きながら、当時の日本では見ることのできない景色や人々に夢中になってシャッターを切っていた。

 

12年ほど前にL.A.、オレンジカウンティーのビーチを回った時に、その変化に驚いたこともあり、大きく変化したサンディエゴのダウンタウンと同様ミッションビーチも昔と様相を変えているのだろうと覚悟をしてやってきた。

 

35年ぶりに訪れたミッションビーチはうれしいことに当時と何も変わらず、ほとんど当時のイメージのままの姿をしていた。

 

しかしながら昔と変わらないミッションビーチをミラーレスカメラを首から下げて歩きながら、対照的に歳を取り大きく変わってしまった自分に、長い時の隔たりを感じていた。

 

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Sony α7m2 FE28-70mm

 

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Sony α7m2 FE28-70mm

 

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Sony α7m2 FE28-70mm