世田谷線 SG05

世田谷駅

Nikon D300 28-300mm

Nikon D300 28-300mm

東急世田谷線世田谷駅である。

 

あたかも東京都世田谷区の中心だと主張している様な駅名である。

 

ところが、東急世田谷線の中でも乗降客数10駅中7番目、1日乗降客数が7,000人を割る無人駅である。

 

生まれも育ちも西日本の僕でも東京都世田谷区というのは東京を代表する高級住宅地がある都会だと知っていた。

 

それが相対式ホームの無人駅で、2両編成の車内改札の電車が走る駅だと知った時にはかなり驚いた。

 

現在の東急世田谷線は1925年、玉川電気鉄道玉川線(渋谷~二子玉川)の支線として三軒茶屋駅から下高井戸駅までの間を玉川電気鉄道下高井戸線として開業した。

 

開業時の路線名からして、玉川線の三軒茶屋からこの世田谷駅近隣の利用を考えての開業ではなく、下高井戸との間の利用を狙って開業したことが分かる。

 

下高井戸線は1925年5月の全線開業に先立ち、1月に三軒茶屋駅からこの駅までの部分開業をすることにしたが、この部分開業で設置した駅の名前を決めるのに決め手を欠いたのではないだろうか。

 

そこで、当時の世田谷町の町役場が近隣にあったので世田谷駅としたのだろうと想像する。

 

しかしながらこの駅は現在の世田谷区役所や世田谷城址、世田谷代官屋敷といった当時からの世田谷を代表するような所への最寄り駅というわけでもない。

 

当時の世田谷町はいまの世田谷区ほどの知名度もなく、その後世田谷区になってからも「耕せ」区と揶揄されるほど当時の東京市の中でも田舎だったらしい。

 

地域は発展し地名は全国的に有名になったが、この世田谷駅は相変わらずということだろうか。