下高井戸駅
世田谷線沿線の地名で最初に知ったのは下高井戸であった。
関西に住む僕は、高校までは東京の地名を耳にする機会は少なく、三軒茶屋も下北沢も知らなかった
勿論、その下高井戸に東急世田谷線の駅があり、それが三軒茶屋駅と同じくターミナル駅であることは知る由もなかった。
そんな僕は、ラジオの深夜番組の中でパーソナリティーかゲストかで出ていたフォークシンガーの話に出てきた下高井戸という地名に強く印象付けられた。
そのフォークシンガーの名前ははっきりとは憶えていないのだが、今思えば多分遠藤賢司さんだったのではないかと思う。
といっても、特に下高井戸という地にあこがれを描いたわけではないのだが、どのようなところだろうかとの興味は強く持っていた。
そういったわけで、下高井戸には何の用事もないのに興味本位に訪れた。
初めての下高井戸はある意味、思った通りの街だった。
半世紀も昔のそのフォークシンガーの話からの印象は、特別オシャレで気取った町というものではなく、学生や家族にとって優しい生活のしやすい街というものであった。
駅を降りて最初に目につく「下高井戸駅前市場」の看板のインパクトはかなりものだが、街をぶらつくと住みやすそうな町で歩いていても落ち着く。
その後、特に用もないのに何となく何度も訪れている。