記憶の中の写真 38

夜が覆う冬の祇園花見小路

  底冷えの京都 (2012/01/04)

 

Pentax K-x 18-55mm

 

祇園花見小路は京都有数の観光地であり、お茶屋が並ぶ街並みは、古い京都のたたずまいが感じられ国内外の観光客で溢れている。

 

夕方になるとお茶屋に向かう芸妓さん、舞妓さんに会えるということでカメラを持った観光客が所かまわず写真を撮ろうとしたようだ。

 

私道や私有地、時には店の中に踏み入って写真を撮ったり、行く手を阻んで立ち止まらせたり、着物の袖をつかんで足を止めさせるケースもあったようだ。

 

目に余る観光客の傍若無人の立ち振る舞いに、業を煮やした地元の住民や商店の協議会が2019年10月に花見小路近隣の私道を写真撮影禁止区域に設定する事態になった。

 

公道である花見小路は依然として禁止区域ではないのだが、周辺一帯に撮影禁止の立て札が立ち並び、周りの人の目が気になって花見小路での撮影には気が引けるようになった。

 

まさに丁度11年前の2012年1月4日。

 

初詣の盛りを超えて、少しづつ落ち着きを取り戻し始めた京都祇園花見小路、みぞれが降り続き、日が暮れてから観光客の足が遠のいていった。

 

花見小路の石畳はみぞれの中で、街灯と店の明かりで光っていた。