250分の1秒 (2022/4/23)
スナップ写真は結果として残った映像が、すべてを物語る。
スナップ写真は、そのほとんどが偶然で出来上がる。
露出もピントもカメラがやってくれる。撮影者に残されたものは、構図とシャッターチャンスだけとなる。
そのシャッターチャンスですらカメラの連続撮影機能に委ねられる部分が大きい。
かつてプロとアマチュアを分けていた露出、フォーカシング技術と、フィルム撮影でアマチュアにはコスト的には無理だった大量の撮影枚数と速射性は、デジタルの現代のカメラではプロとの間の差が小さくなった。
逆に、アマチュアの趣味の写真は、取れ高や、時間コストから解放されており、それらの概念とは関わりがない。
趣味の写真では、無駄にカメラを持って一日中だって歩き回ることができる。
アマチュアでも一日歩き回っていると、それなりに気に入った写真が撮れていたり、意外性に驚く写真が撮れていたりする。
シャッター速度250分の1秒、世田谷通りを走り抜ける東急の路線バスに遮られた先を走る世田谷線の電車が、窓を通してカメラに映りこんだ。
すべてが、偶然の産物といえる。