香港の夜 (2012/9/29)
東洋と西洋が混ざり合い、混然一体となったエキゾチックな街が私の香港に抱き続けてきた長年のイメージだった。
それは若いころ映画で見た「慕情」の中で描かれていた香港の印象が強く残ったからだろうし、かつての九龍城砦に代表される混沌とした世界の印象だろうと思う。
慕情で主役の二人が逢った丘のロケ地とされ100万ドルの夜景が見下ろせるビクトリア・ピークにのぼってみたいと思っていたし、屋根のない2階建てのバスや2階建ての路面電車、香港島との間のフェリーなどに乗りたいという気持ちは持ち続けていた。
香港はイメージ通りの顔も持っていたが、1997年の中国返還以降の中国化の流れが押し寄せ、この年の愛国教育必修化に対して、街中ではプラカードを掲げたデモがあちこちで行われていた。
香港は、その後2014年香港反政府デモ(雨傘革命)、2017年香港特別行政区行政長官選挙、そして2019-2020年香港民主化運動の後、中国共産党政府政権に完全に飲み込まれ、一国二制度は崩壊した。
出来れば、かつてのエキゾチックな香港を見つけに行きたい。