記憶の中の写真 22

真夏の郵便配達 (2004/8/11)

 

f:id:uraroku:20201023183815j:plain

CASIO QV-R51

 

カメラを持って散歩するお気に入りのコースはだいたい決まってきたりする。

なんとなく撮りたいものと出会う確率が高そうなコースへと足が向くし、お気に入りのものがある所を通るようになってくる。

15年ほど前、祇園東山の夏のコースには決まって宮川筋も入ってきていた。

京都の夏は特別暑く、日中歩いているだけで汗が吹き出してくる。喉が乾くし、足を止めて休みたくなる。

宮川筋の歌舞練場の向の酒屋の前にビールと酎ハイの自動販売機が置いてある。

夏はここに立ち寄り一本買って、歌舞練場の前の石段に腰を下ろし、それを飲みながら、ゆっくりとその後の散歩コースを考えるのが常になっていた。

この日はいつも通り祇園、東山へと足を向けた。

一年で一番暑いと思われる8月11日の焼け付くような午後2時、郵便配達の人が、汗をいっぱいかきながら、各家々を回っていた。

なんだか、宮川筋で缶酎ハイを飲んだことに少しばかりの後ろめたさを感じてしまったりした。