美しく青きドナウ (2023/03/24)
小学生のころから音楽は苦手だった。
合唱の時間は口パク専門で、楽器演奏の時は楽器を手にして"エアー"演奏者をやっていた。
その自分のクラスが大阪府の演奏会に代表として出ることになった。その時の演奏曲は「ドナウ河のさざ波」だった。
役回りは一番目立たないその他大勢の一人、ハーモニカだったので、もちろん音を出さない様に、邪魔をしない様に心掛けていた。
結局、その演奏会に出てハーモニカの演奏技術を身に着けることはなかったが、東ヨーロッパにドナウ河という美しい河があることを学んだ。
そこで「美しく青きドナウ」というワルツ曲があることも同時に知り、ドナウ河への印象が一層強く刻まれたことを覚えている。
2023年春の宵、半世紀を超えて訪れたドナウ河は、まさに子供の時に抱いた印象通りの白鳥の泳ぐ「美しく青きドナウ」だった。
友人たちと川沿いを散策した後、少し通りを入ったところで夕食を取り、そしてホテルへと戻った。
戻ってから肝心の「さざ波」を見なかったことに気が付いた。