記憶の中の写真 39

氷点下の朝焼け (2023/01/26)

Olympus E-PL5 25mm f1.8

「東京はこの冬一番の冷え込みの朝を迎えた」とのことだった。

翌日は氷点下4.3℃の何十年ぶりかの極寒の朝となるが、この日も氷点下2℃、出身が西日本の自分にとって本当に久しぶりの寒い朝となった。

 

小学校のころを思い返すと、登校する冬の朝、当時は未舗装道路が多く、その道路の車の轍にできた水たまりに張った氷や霜柱を長靴の足で踏み割りながら学校に向かったことを思い出した。

 

そんな光景を見なくなったのは、必ずしも温暖化のせいばかりではなく、そんな未舗装の道や広場が無くなったからだと思う。

 

子供のころは不思議とあちこちに水たまりがあった。

水たまりは、よく子供たちの遊び場所にもなったし、通学の障害にもなった。どちらにしても母親たちにとれば憎むべき対象だったんだろうと思う。

 

寒い朝、登校の子供たちは、通学路上の家々の勝手口の前に置かれた七輪の燃え残りを足で壊し、その足で広場や道の水たまりに張った氷を踏み割って、学校に着くころには長靴とズボンのすそはどろどろになっていた。

 

2023年1月26日、この氷点下の朝、子供の頃の風景は乾き切ったアスファルトとコンクリートの歩道、それを踏みしめる革のシューズ、そして吹き抜ける冷たいビル風にすべてが置き換わっていた。