西日の八重洲(2021/8/4)
1日の仕事が終わって通りへ出て、達成感と解放感、そして軽い疲労感を感じながら少し遠回りをしながら、駅へ歩いた。
午後5時53分、照りつくような日差しが弱まり、街は8月の日中の厳しい暑さからやっと解放されたという安堵感と一日の倦怠感に霞んだ空気に包まれていた。
辺りは西に傾いた日差しの中に照らし出され、歩道も人もベンチも新幹線の車体も輝いて見えた。
その時、東京のそれも八重洲という少し特別な場所のそれでも取り立ててなんてことのない風景が、自分が遥か昔にどこかで見ていた真夏の西日に照らされていた。