記憶の中の写真 16

土砂降りの高尾山 (2018/8/12)

 

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Sony NEX-5N SEL 18-55mm

 

夏になるとどこかに出かけたくなる。

海か山かのどちらかになるのだが、人によっていわゆる「海派」と「山派」のどちらかに分かれるようだ。

勿論、どちらも好きなアウトドア派も、どちらも好まないインドア派というのもあるのだろう。

僕はインドア派とアウトドア派の中間あたりで、どちらかと言えば海派に入ると思う。

とは言っても子供の頃から山と夏のイメージは強く結びついていて、憧れに似た思いは抱き続けている。

それは、朝のカッコーの鳴き声や夕方のひぐらしの蝉時雨、昼間の飯盒炊爨や夜のキャンプファイヤーなどの夏の記憶と共に刻み込まれている。

この年、久しぶりに山に行きたくなったのだが、山に行くには体力が欠かせない。今の体力ではとても山に登ることなどできない。

そこで思い立って、手始めに練習がてら高尾山を登ることにした。

先ずは1号路、それも途中の高尾山駅までケーブルカーを使う一番楽な初心者ルートで登ることにした。

高尾山駅から山頂までの登山路の途中の分かれ道では、少しの見栄で急な階段のあるきつそうな男坂を選んだ。

それでも登山路というより、ハイキングコースといった方が当てはまるようなルートである。

この日、山頂から戻る段になって、雷鳴が響きわたり、天気予報に反して雲行きが怪しくなって来た。

ケーブルカーの高尾山駅に急いで戻って来た時には、あたりは豪雨と落雷に包まれた。

結局、1時間強にわたってケーブルカーは運転を見合わせ、多くの登山客が高尾山駅で足止めを食うこととなった。

動き始めたケーブルカーで下に降りた後も、高尾山口駅からの京王線もダイヤが大幅に乱れ、挙句、家族との待ち合わせにも遅れてしまう始末であった。